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佐比内・朴木金山(隠れ切支丹)を探す part 3

2013年5月9日

朴木(ほおのき)金山

前にも説明したが、南部藩最大の金山であり、最盛期の朴木金山には山師大工が1万3,000人、戸数も2,120軒!そして、歓楽街や遊郭まであったと言われている。だが、わずか30年あまりで終わりを迎える。あぁ、魅惑の金山。金は採れずとも、過去の形跡を見てみたい。いざ、朴木金山アタック!

国道396より【金山・隠れ切支丹の里】の看板を左折

目の前に広がる山々は金山??テンションが上がる!

しばらく走ると舗装道がら林道へと変わる。今日は天気が良い。5月上旬なのでヤブも少ない。これならば進む事ができそうだ。

途中、左に【洞ヶ沢】へ行く分岐点に着く。夏場のときは木々が生い茂り、とても進めなさそうだったが、これなら、行ける。とりあえず直進【朴木】へ進む。

ダム?ため池?手前で分岐点。左側へ続く道が今日の目的、朴木金山コースだ。

せっかくなので、ダムでパシャリ。夏場では分からなかったが、右側に登り口がある。バイクでは無理そうだが、どこへ通じる道であろう?

ダム手前の左道を登っていくと、【大工堀子長屋】の標柱。どれぐらいの規模の長屋だったのだろうか?1万3千人、2120軒だぞ!ここいら一帯に建っていたのか?そうは見えないが。

鋭角な石がゴロゴロと落ちている。乗り上げないよう注意。

と、分岐点に。右側へ【謡沢(うたいさわ)】の矢印看板。なにやら説明書きもある。

『この沢は謡沢と伝わります。歓楽街、遊郭があったといわれています。鉱山の労働は厳しく、堀子大工は粉塵と灯りの煤煙のため35歳くらいが寿命といわれます。その労働の後を癒す一夜の快楽を求める堀子大工で溢れ、紅橙が夜の闇を夜毎照らしていたと思います。

朴木金山の繁栄を伝える「厚朴木金山覚書状」には、


『【江戸より傾城三百人仙台より二百五十人罷下り山盛り申し夥敷事奥羽五十郡出羽十二郡両国に懸かる名所有間敷と皆々申来る候】と記されております。この沢は山を越えれば大迫ぶどう沢を経由して小山田村に通じる小山田村はこの時代後藤寿庵の弟子が信仰を守っていました。寛永13年の切支丹大弾圧で南部藩では176名が逮捕されておりましたが、多かったのが小山田村といわれます・・・・・・・』


と説明が続いている。江戸より300人!仙台から250人!歓楽街、遊郭で働く女子って事か!?ス・スゴイ・・・。寿命が35歳って・・相当、過酷な労働だったんだな。お金の為と言ってもストレス発散に遊んでいたんだな。結局、それでスッカラカンになってしまうのか、なんだかなー

小さな沢がある。モンキーで渡ろうと思えば渡れるが、ここは無理せず、歩こう。この先には歓楽街の跡があるはずだ。

テクテク歩くと、道幅は広く歩きすい。ここを堀子大工が何千人と行き交いしてたんだなーと思うとスゴイ。だって山の中だよ、ココは!あった!歓楽街跡!




見渡すと、それらしく平地になってあり、建物が残っていたんじゃないかと思われる場所だ。ただ、どれ程の大きさ、数があったのか気になるところだ。どこかに資料は残っていないかな?

さらに進む、広い道だ。車1台分の広さはある。

おっと、また沢だ。さすがにモンキーでは無理な感じだ。歩きで正解。この先に、まだ何かあるのか?

あった!!遊郭跡!!こんな奥にひっそりとあったのか!?



建物が5、6軒は建ってたであろう平地が段々になって残っている。江戸より300人、仙台より250人。計550人だから4、5軒じゃ済まないかもな。

さすがに建物の残骸は無いが、歓楽街同様、地形がそのまんまに残っている。すごいよ!ホントに!こんな山奥に遊郭だなんて、ゴールドラッシュだったんだな。それ以上、先はドン詰まり。いや、よく見ると細い登山道のような道がある。

確か説明書きには『小山田村へ通じている』って書いていたような。地図を確認すると大迫方向となる。どこへ出るのか?まぁ、この先はもういいや。置いてきたモンキーも心配なので、引き返した。再び、モンキーに乗って、『謡沢』の看板より、直進した。

今度は『精錬作業所跡』の標柱。ぱっと見、杉だらけだが、この杉は建物が無くなってから生えてきたのか?歓楽街跡や遊郭跡のようにそれらしい平地は見当たらず。精錬作業所なんだから結構な大きさだったはず。が、やはり平地は見当たらず。

100mほど走るとその区間に、もう2つ『精錬作業所跡』の標柱があったが、やはり、杉林。うーむ、杉が不自然に立っているような気もするが、この杉一帯に建物が建っていたとすれば、相当な規模だったと伺える。

あ!チェーンだ!

『鉱山保全法及び金属鉱山等保全規制に基づき関係者以外は固くお断り申上げます。 早池峰鉱山長』

だって、・・・・・・。どうしよう、バイクなら脇からスッと入って行けそうだけど・・・・・。

んーーーー。道はまだまだありそうだ。しかも、鉱山跡っぽい。鋭角な石がゴロゴロ落ちている。その中に混じって、白い石があり、金が混じっていそうな雰囲気。大ヶ生の萬寿坑に置いてあった、金鉱石ってこんな感じだった。

ああぁぁぁぁぁ、進みたい。この先にいって見たい!せめて、坑口を拝みたい!でも、立入り禁止なので諦めた。不完全燃焼である。

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