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繋発電所 発電所跡編

2016.3.14

昨年の2015年9月に繋発電所の取水口跡を探索した。ただ、取水口から取り込んだ水の先、つまり、山の反対側の放水口付近にある謎のコンクリート遺構は、木々に阻まれ1歩も進むことさえできなかった。

よって、時期を改め、雪が解け始めたこの3月に探索することにした。

雫石のコンクリート遺跡

道路から眺めた謎のコンクリート遺構。時期が時期だけに草木は枯れ、よく見える。これならば入ることも可能だ。それにしても、このコンクリートの塊なんだろう?台にも見えるが、発電所の装置が置かれた場所だったのか?

繋発電所跡登り口

コンクリート遺構向かって右から進入。間近で見るとコンクリート遺構の大きさが、いかに大きいか良くわかる。しっかりしたコンクリートだ。

繋発電所跡登り口

脇には、なにやらフェンスで囲まれた小屋のような建物があり、『警報所』と記されている。御所ダムに異常があった場合はサイレンが鳴るようだ。

コンクリート遺構の上

やや坂道を登っていく。若干雪が残っており、ヌカリ気味だが長靴を履いてきたので、滑るのさえ気をつければ大丈夫だ。コンクリート遺構の上にたどり着く。上はまっ平らだ。ここに発電所施設が建てられていたんだろうか?

繋発電所跡か

山側奥のほうが気になるが、まずは手前の道路側から見てみよう。それにしても、真っ平らで何もない。あるのは鹿だろうか?動物の足跡が残雪にかたどられている。

コンクリート遺構からの眺め

コンクリートの上からの眺めはよい。道路反対側、建物ある方向へ放水された水が流れていたのか?

繋発電所跡 放水口

道路側の奥(道路から見ると左側)へ進むと、放水口のような作りがあるが、口は見当たらない。当然、穴もない。

繋発電所跡 放水口

ダムに詳しくないが下をのぞくと、やっぱりダムの放水口のような作りをしている。前回、確認してきた取水口から流れてきた水は、コンクリート遺構の場所でタービンを回し、ここから放水していたのか?コンクリート遺構は台ではなく、埋められた場所であり、その下にタービンなどの施設があったのだろうか?

繋発電所

先ほど、後回しにした山陰の奥のほうへ行ってみる。すると!なにやらトンネルのようなものが!!ホッカリと開いている!なんだあれは!!ドキドキ!!

繋発電所

胸の高鳴りが最高潮に達するのを感じつつ、吸い込まれるように、トンネルらしき場所へ進む。トンネル前は、鉄格子で硬く閉じられている。そして、水が流れる音が聞こえる。興奮がとまらない!

繋発電所

一段下がり、鉄格子に近寄る。今でもトンネル奥のほうから水が流れており、その先は、真っ暗な闇。コウモリでも棲んでいそうな、この時期でもジメッとした空気が感じられる。なにやら計器が設置しており、水量を管理しているようだ。

取水口跡と思われる場所は閉じられていたので、まさか水圧管路(トンネル)が現存しているとは思ってもいなかった!それにしても、この水はどこから流れてきているのだろう?トンネル内は崩落していて、地下水が流れ込んでいるのか?それとも取水口も現存していて、そこから引き込まれているのか?

繋発電所

興奮が収まらないまま、道路まで戻り、放水口らしき場所を確認。あらためて下側から望むと、しっかり形が残っている。この場所が繋発電所跡で間違いなさそうだ!水がどこから流れてきているのかは、謎のままだがひとまず、繋発電所跡の探索は終了だ。謎解明には図書で調べるしかないな。

発電所跡とは関係ないが、ここから盛岡市内まで、脇の山中に洞窟があるらしい。防空壕か、はたまた鹿妻穴堰を作った鎌津田甚六たちが調査で掘ったものか定かではないが、人工で掘った洞窟が数箇所存在するようだ。その洞窟を探してみるのも面白いかもしれない。

-つなぎ発電所跡 完-