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繋発電所 取水口跡編

2015.9.30

御所湖周辺をボケぇーっと国土地理院の古い航空写真で見ていたら、何やら怪しい導線が見えた。

この航空写真、御所ダムが造成される前のものであり、まだダムになる前の雫石川が流れている。その御所ダムに埋もれる前の雫石川のとある部分に、何やら取水口らしき構造物が見えた。その構造物の流れをたどると、山の中に入り込んでいる。はて?山の反対側を見ると水路のような人工的なモノが写っている。はて?はて?その先には鹿妻穴堰があるので、何か関係あるのか?そういえば山の反対側には今もコンクリートの大きな構造物があるのを記憶している。砂防ダムかな?と思っていたが、取り壊さず今もなお存在する遺構かもしれない。

これだけでは情報が足らず、状況確認する気持ちが薄い。ネットで調べていると、1つの名前が上がった。『繋発電所』 古い衛星写真に写っていた構造物は、取水口で間違いないようだ。そこから水を取り込み、山の反対側が発電所になっていたのかもしれない。よって今もなお残っているコンクリートの構造物は、発電所の跡かもしれない。

むふふ、興味が湧いてきた!それぞれの跡が今も残っているのか?取水口と山に入り込む穴はダムの底にあるだろうが、今は秋。ダムの貯水量が少なくて、運良く取り壊さず残っていれば、何か見えるかもしれない。もっと気になるのが、あのコンクリート構造物だ!あの上に立ってみたい!

トンボが飛び交う秋晴れにバイクを飛ばす。こんな事をしているとたまに、俺はいったい何をしているんだ?とワレニカエルときがある。今回もそう思った。しかーし!この気持ち、止められない!うまく言えないが、ワクワクするんだよねー!

せっかくなので鹿妻穴堰。いつも素通りなのでちゃんと見てみよう。
鹿妻穴堰頭首工

慶長始め頃、当時南部藩主の南部信直が、鹿妻・太田地域に引水するため金山師の鎌津田甚六に命じて作らせたといわれる。鎌津田甚六は、剣長根の岩山に目をつけ、その岩を掘って穴を取水口として完成させた。今では現代風の頭首工になっているが、ただ岩を繰り貫いだダイナミックナ取水口だったようだ。

鹿妻穴堰頭首工

免許取り立てのころは道路が狭く岩がまだ張りだしていたので、すれ違う車に恐々と運転していた気がする。頭首工からゴゴーー!と鳴り響く音は迫力がある。これでも水量が少ないのか川底のゴツゴツした岩が目立ち、異様な雰囲気だ。ちなみにWikipediaによると、『2013年に穴口から自然金や閃亜鉛鉱、方鉛鉱、黄銅鉱などを含む金・鉛・亜鉛の鉱脈が発見されている』と記されている。

繋発電所の基礎部分か?謎のコンクリート構造物。
繋発電所跡

鹿妻穴堰からちょっと走ると、例のコンクリート構造物だ。まだ時期が悪い為、草木が生い茂り侵入を拒まれた。今回は上に立つのを諦めよう。ならば、発電所跡と思われるコンクリートの土台場所から延びる水路を確認だ。

繋発電所跡

コンクリート構造物の道路を挟んだ反対側にはとある会社の所有地となっている。

繋発電所跡

先をたどると、田んぼと田んぼの間に、4,5メートル幅の不自然なスペースが今も存在する。ここが排水路の跡か?。このまま雫石川に流れて行ったと思われる。消化不良気味だが、コンクリートの遺構の上を立つことが出来ないので仕方が無い。発電所跡は今回見送りだ。では、山の反対側を見に行こう。

いよいよ取水口跡へ!その前に山へ入り込む穴口を捜す!
猿田橋

猿田橋だ。御所ダムの水位が低いが、橋の補修工事をしているため、橋が養生で囲われて良く見えない。ちょうどこの橋の下に取り込み口があるの思うのだが、見えない。工事作業者の視線がきになるが、橋の脇から降りてみよう。

猿田橋

それらしい穴は存在しない。そりゃ埋めただろう。残っていたら穴の中を探索するツワモノもいるだろうから安全の為、閉じたに違いない。とは言え、残念だ。

繋石

せっかくなのでつなぎ温泉街へ。繋石だ!源義家がこの地で温泉を発見し、入浴の際に愛馬をこの岩に繋いだ、らしい。約900年前と記されている。本当ならすごいね。ちなみのこの石の脇に温泉を引いており、飲むことが可能だ。

では、取水口跡を確認してこようと、温泉街を下ると、

つなぎ温泉 謎の穴

なんでしょう?トンネルのような穴がある。防空壕とも思える作りだが、にしては新しい感じだ。草が邪魔して近寄れん!ここも次回の課題。

繋大橋

温泉街から降りてくると目の前の御所湖は、普段より水位が下がっており、かなり下のところまで立つことが出来る。ギリギリに立ってみるも、水路等の跡は見えない。この辺にも取水口からの水路があったと思われるが、やっぱり見えない。すっかり取り壊してしまっているのならば、これから見に行く取水口跡もないのかもしれない。田瀬ダムの黄金山発電所跡はかろうじて遺構が見える(ワタシは頭のみ見えた)ようだから、ここも期待しているけど、どうだろう。

さぁ!取水口跡へ行ってみよう!
御所湖広域公園 漕艇場

取水口があったと思われる、御所湖広域公園の漕艇場だ。あの緑の先に位置する。うーむ、ここからは何も見えない。近くまで行ってみよう。

繋発電所 取水口跡

辺りには、だれーもいない。漕艇場は閉まっているので、怪しさ120%だ。反対方向を見ると、岸スレスレで釣をしている人がいるので、まぁいいっか。

繋発電所 取水口跡

近くに着いたが、水の透明度がなく底が見えない。それらしい遺構は見当たらない。コンクリートの塊が散らばっているが、取水口の一部だろうか?ちょうど吹き溜まりのような場所なのでゴミが多い。わけの分からないビンに怪しい色の付いた液体が入っている。むむ?これは一体?触らぬ神に祟りなしだ、興味本位で開けるのはよそう。

繋発電所 取水口跡

上のほうから取水口を見てみる。やっぱりそれらしい遺構は見当たらず、残念だ。来春、繋発電所跡にあるコンクリートの土台を確認だ!