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ヨロツベ林道から盛岡の秘境砂子沢地区へ

2015.6.17

盛岡から国道106号で宮古方面に行く途中に簗川郵便局がある。毎回、通る度にそこから下に見える、小さな集落が気になっていた。地図を見てみると、その集落から盛岡の秘境(ワタシが勝手に呼んでいる)の砂子沢地区に抜ける道があるではないか!今、盛岡から簗川郵便局まで106号は、簗川ダム建設に伴い、新たな106号線道路を作っている。また、さらに簗川郵便局付近からも宮古方面に横断道路を建設中だ。もしかすると、集落一体が無くなるのでは?と思い、その前に集落も見届けつつ、ヨロベツ林道を走ろうではないか!と思い立ったのだ。

盛岡より川目を抜け、新106号への登り口。ワタシは迷わず旧道路を選ぶ。モンキーでは、大型トラックがバンバン走る新道路より静かな旧道路のほうが安全なのだ。が、ものの数百mで引き返す羽目になる。「26年2月××日より通行止め」ガーーン!!そりゃーそうだ、この先は簗川ダムを作るんだもんな。仕方がなく戻り、高台の新道路から埋まるであろう場所見ながら、そしてトラックにビビりながら走る。そういえば、この簗川ダムって再度試算したら作らなくても用が足りるんじゃなかったっけ?

過去の106号より県道43号の分岐点。この時、もうすでに橋が完成され通行止めとなっていたが、今日は、ここにすらとたどり着くことは出来ないのである。ここはダムの底となる場所だがらだ。

さらに昔、まだ、43号線が通れたときに、開通前の橋の下より撮った写真。

長い高台の直線を抜けると、そこは今回のスタート地点である、簗川郵便局だ!ここから未踏の集落地へ降りる。

綺麗な小川が流れ、橋を渡ると「簗川小学校」だ。体育館と思われる大きな建物の窓ガラスは割れているが、校舎は活動センターとして使っているようだ。可能であれば、校舎を見学したかったが、先を急ぐため後にする。

ヨロベツ林道との分岐点。折角なので、林道にはまだ進まず、集落の奥に行ってみることにした。集落は民家がポツリポツリと点在しており、中には人が住んでいない廃屋もある。小さな水田や畑があり、おばあちゃんが畑仕事をしていた。おそらく高齢化が進んでいるであろう、あと数十年すれば廃集落となってしまうのか?奥に進むと工事中だった。あまりうろちょろしていると迷惑が掛かりそうなので分岐点まで引き返し、ヨロベツ林道に入った。

林道と言っても、まだ、この辺りは舗装路だ。ちょっと走ると、山の斜面を重機で伐採中。多分、この斜面にはトンネルが出来るハズ。その為の伐採だろう。トンネルは簗川トンネルとなり、つぎの新区界トンネルに繋がっていく予定。

しばらく走っても舗装のまま、道幅は狭いが快適である。ここまで走っても舗装路だから、全線舗装の用な気もする。舗装路の期待を込めながら走っていると、ぎょ!!何やら細長い白い物体が見えた!白い蛇か!?通り過ぎてしまったのでUターンして戻って見ると・・・白いヘビではなく、小動物の背骨だ!長さにして60~70センチほど。タヌキかキツネだろうか?肉片は一切なく、見事に背骨のみ。辺りには、その小動物と思われる毛が散らばっている。車に轢かれてしまったのか分からないが、すっかり変わり果てた姿に自然の摂理を感じた。

山の中を走り登って行くと山頂付近に辿り着く。唯一に見晴らしがきく場所で、遠くには南昌山が霞んで見える。

唯一の絶景ポイントの後ろには『長倉峠』の立て札。ヨロツベ林道ではないのか?と思いながらもヨロツベ林道の標柱には『ふるさと林道』とも記載されているので古くからは長倉峠が正しいのだろう。綺麗に舗装されヨロツベ林道と名称が変わったに違いない

ここからは下り。比較的、砂も枯れ葉も落ちていない舗装路だが、慎重に下る。民家が見えてきた。ヨロベツ林道の出口が近づいてきた。と思ったら、

ぐわぁぁ!!土砂崩れだ!!しかも道路を塞いでいる!ここまで来て引き返さねば成らないのか!かろうじてバイクならギリギリで通れそうだ。崩れてくるなよぉーと祈りながら通る。無事、根田茂地区へ出ることが出来た。車だったら引き返す羽目になったね。


久しぶり来た、盛岡の秘境。このまますくって飲めるんじゃないか?ってぐらいに綺麗な川が流れ、テレビの電波も届かんだろうって思う山間にポツリポツリと古い家が建っている。いくら盛岡が田舎とは言え、ここも盛岡なのか?って思うこと請け合いなし。

廃校になった小中学校もある。子どもたちはどこの学校に通うんだろうか?それとも子どもは住んでいないのか?

のんびり気持ち良く走ると砂子沢地区。岩泉方面と紫波方面の分岐点に着く。岩泉方面へはまだ行ったことがない。行きたいなぁ!!でも時間制約があるので紫波方面へハンドルを向けた。この先は、

山屋。【811年頃、陸奥国司の長官がこの牧場に着目し、次席長官の藤原居経清を送り込んだ。経清は柵を作って住みついたようだ。後年、源義経たちが騎馬訓練をした地で、鍛えた力と技術は源平合戦において存分に発揮された。】かつて牧場だけあって広々。何度来てもホェーー!!っと心が奪われる。どっちから来ても木に囲まれている所を走ってくるから、この広々とした風景に出くわすとワァーってなって気持ちがよいんだよ!

山屋館経塚。4基あったうち2基が盗掘被害があったようだが未だに見つかってないんだって。さぞお宝だったのか?

ここを下って行くと現実が少しずつ戻っていく。毎度ながら旅のこの感じは嫌いだなー明日から仕事だって思うこの感じが。でも、まぁ頑張りますか!現実があるから旅の楽しさが増すんだから!