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モンキー キャブ清掃(オーバーホール)

作成日:2019.07.19

異変、そして、キャブオーバーホール

いつも通り、1000kmでのオイル交換をしたところ、廃棄するエンジンオイルから強烈にガソリン臭がし、廃棄オイル自体もいつもよりサラサラしていた。エンジンオイルからのガソリン臭は初めてのこと。思い起こせば、春先に行ったエアフィルターの清掃の時、エアーフィルターからもガソリン臭がした。と、言うことは、何らかの原因でキャブ内のガソリンがエアークリーナーボックス内に入り、ブローバイハイプを伝ってエンジン内にも混入したのではないか!?これはまずい!このままの状態が続くと、エンジンにダメージを及ぼす。

早速、調べてみると幾つか原因があるようだが、もっとも可能性があるのもとして、キャブのオーバーフローが考えられるようだ。ただ、私のキャブはパっと見、特にガソリンが染み出ている様子もなく、オーバーフローした形跡がみられない。とは言え、すでに4万km走ったモンキーだ。今まで、キャブの分解清掃はしたことはない。

と言うわけで、キャブのオーバーホールというほどしっかりしたものではないが、キャブの分解清掃パッキン交換(Oリング交換)を行った。

キャブOHに必要な部品

これから紹介する部品以外にも交換部品はあるのだが、パッキン類中心に揃えた。なお、インシュレーターのパッキンも注文したのだが、どうやら別のものを頼んでしまい交換することができなかった。ちなみに合わなかったインシュレーターの部品は、【品番:91304-GB1-900 サイズ:25×2.4 (購入当時価格:255円)】これだと私のAB27モンキーでは大きすぎた。おそらくエイプ100だのスーパーカブのようなモンキーより大きいキャブ用のものと思われる

ホンダ純正 バルブcompフロート

品名:バルブCOMP フロート(ホンダ純正品) 品番:16155-883-005 (購入当時価格:1220円) 【amazon:ホンダ純正 フロートバルブCOMP 16155-883-005

落とすと見つからなくなる可能性が高い小さな部品だが、先っぽの黒い部分が摩耗したり傷ついたりすると、塞ぎが悪くなりフロートの浮き沈みの調整がうまく行かず、オーバーフローの原因にもなったりするそうな。小さいながらも部品代も高く重要な箇所だ。

ホンダ純正 ガスケットセット

品名:ガスケットセット(ホンダ純正) 品番:16010-165-a11 (購入当時価格:1548円)【amazon:ホンダ純正 モンキー ガスケットセット 16010-165-A11

1)ドレンボルト 2)トップワッシャー(ジェットニードルの頭のところ) 3)Oリング(インテーク側、もしくはインシュレーター用) 4)プロートチャンバーワッシャー

特に説明書きが付属するわけでもないので、「ハマるところに、はめた」といったところ。

モンキーのキャブオーバーホール

キャブ ドレンボルト

まず、キャブ内のガソリンを抜かなければならないので、ガソリンコックをOFFにして、排出ホースに適当な容器をセットしておき、キャブの下横にあるドレンボルトを緩める。ドバァーとガソリンが排出ホースから流れ、出し切ったところで、一旦、ドレンボルトを締めておく。キャブ内のガソリンは、完全に抜けきっておらず、外した際に排出ホースから漏れるのを防ぐためだ。

ab27モンキー キャブ

写真では見づらいが、キャブクリーナを押さえているボルトを緩め外す。また、併せてクリーナーボックスとキャブをばらしたほうが、キャブ本体が取れやすい。次にインテークとジェットニードルが収まっているヘッドキャップを外す(ジェットニードルに傷をつけないように注意)。これでキャブ本体を外すことができる。中に残っているガソリンが漏れてくることがあるので注意すること。

ab27モンキー キャブ分解

【ここから先は、手が汚れて細部にわたって写真を撮ることができなかったので、文章中心で進めます】

ネジ2つ外すと、パカッと割れる。意外に中はきれいだったが、パッキン類は硬化しヒビ割れしていた。メインジェットとスロージェットを傷がつかないように外す。メインジェットの下にはニードルジェットがあるが、細い棒でたたかないと出てこなそうだったので無理せずそのままにしておいた。

モンキー キャブ フロート

フロートを外すには棒(写真参照)を引っこ抜くのだが、簡単にスルっととれるので、落としてなくさないように注意すること。フロートが外れると、フロートバルブ(写真の丸部分)も取れるが、これも小さいので紛失には注意。

モンキー キャブ

パッキン類を取り、バラバラにした部品をキャブクリーナーで洗浄するのだが、勢いよく噴射するので、跳ね返りで目に入らないように!ゴム類を溶かすほどの洗浄力なので、目に入ると痛い。そしてしばらく視界がぼやけるよ。今回は目に入らなかったが、ゴム手袋がボロボロになり、ほぼ素手状態でキャブクリーナーの溶液を扱うこととなり、爪の間がヒリヒリと痛い思いをする羽目となった。本来はつけ置きしておくのがよいのだろう。時間もなかったし、歯ブラシでゴシゴシこすって汚れを落とした。

モンキー ヘッドキャップ

ヘッドキャップについているジェットニードルを外し、矢印のパッキンを新品と交換。取り付ける際には、スロットバルブ(ジェットニードルが入っている筒)の向きに注意して取りつける。スプリングがあるので、外すにも付けるにも、手こずるがイライラせずに。

モンキー キャブ ドレンボルト

写真はドレンボルト。ここにもOリング(パッキン)があるので、洗浄後に交換する。

モンキーキャブ インテーク側

インテーク側のOリングを交換。本来ならばインシュレーターのOリング(パッキン)も交換したかったが、無いのでそのまま。

モンキー ab27 キャブ OH

元通りに組み上げ、取り付ける。エンジンをかけ走ってみる。アクセルを1/4程度開けて加速すると、もたつく。おまけにアクセル全開からの全閉で、低回転に差し掛かるあたりの減速中にパンパンとマフラーが鳴る。どうやら低回転時のガソリンが薄いようだ。エアースクリューのOH前は、締めこんで(右回し)から、左回し0.9回転だったはず。これを一旦、アイドリング中に一番回転数の高いあたりに変更。1回転と1/4の位置。しかしながら、パンパン音は解消されず。色々、ASをいじってみるも改善されない。

キャブの再分解からのAS調整

このままほっといても良かったのだが、許せなかったので、今一度、キャブを分解し、メインジェット等の締め具合をチェックすることにした。メインジェットの締め付け具合でも変わるようだ。再組み上げが完了し、ASを調整。OH前の0.9回転にしてようやく落ち着いた。結局原因は何だったのか?メインジェット、スロージェットの締め付け具合を「ギュっと締めず、軽く締めた」 に変えたのだが、それがよかったのか?ひと月ほど走っているが今のところ、不調はない。

OH後のエンジンオイル交換。はたしてガソリン臭はするのか?

1000km交換でエンジンオイルを交換しているのだが、前回は、廃油からガソリン臭がし、また、その廃油はサラサラしていたわけで。さて今回はどうだろう?いつもより緊張感のあるオイル交換。廃油からはガソリン臭はしない!粘り気もある!つまり、キャブのOHによって改善されたのだ!キャブのどこが原因でエンジンへ逆戻りしていたかはわからないが、OHすることでどうやら治ったようだ。おまけにアクセルのツキも良くなった。