秋津神社の湧水&大白沢滝@矢巾町
矢巾町の秋津神社の湧水は、その界隈では名水として有名だ。しかし、その奥にある大白沢滝って聞いたことありますか?それ程、距離も長くなく、水量が少ない時期は、楽勝で行けるようだ。ただ、今年は違う、例外中の例外だ。
豪雨後の南昌山麓の幣懸の滝は?
2013年8月9日、特に紫波町、矢巾町、雫石町に強烈な雨が降り、街中は浸水、山間部ではあちらこちらで土砂崩れが発生し、甚大な被害をもたらした。当然ながら南昌山や東根山などの登山道も土砂やえぐられて、めちゃくちゃに破壊された。南昌山と東根山の間にある、秋津神社の湧水はどうなったのだろう?土砂に埋まってはなかろうか?心配になり秋頃に様子を見に行ったものの、林道の入り口は、通行止めの立ち入り禁止となっていた。
翌年、もう一度、行ってみることにした。
その前に、未だに登山道が復旧していない南昌山の麓にある、幣懸の滝(ぬさかけの滝)も気になり、ちょっと寄り道。
多数の崩落がある南昌山から雫石に抜ける林道は、封鎖されていたものの、幣懸の滝へ行く入り口は、ロープが張ってあるのみ。一応は、通行止めの印であろうが、何があろう自己責任!と解釈し、ロープを潜り進む。下から見る林道の斜面は崩落し、無残な姿になっている。
遊歩道の川側は大きくえぐられ、被害の甚大さが伺える。崩れそうなので、のぞき込む事は出来ない。
慎重に進むと、目の前には、幣懸の滝と判断できる滝はあるものの、周囲は大きく異なるほど地形が変わっていた!地面の砂や土は運ばれ、顔を出した大きなゴロゴロとした石が残っている。
幣懸の滝は壊滅的状態。秋津神社湧水は無事か!?
この感じからすると、秋津神社の湧水も崩壊しているかもしれない。南昌山、幣懸の滝から秋津神社までは、10分程度で着く。ただ、それまでに行く途中、一部道路は、山からの土砂が流れ、復旧作業中につき片側通行となっている。思いを巡らせ、秋津神社の入り口に着く。
去年は通行止めの柵があったが、今日はない。つまり、進めると言うこと。ただ、進めるからと言っても、秋津神社の湧水がどうなっているかは、分からない。分岐点、左側へ行くと秋津神社。右側へ降りると湧水がある。ここから見て、秋津神社は確認できる。神社は無事だっようだ。さて、清水は?
あきらかに以前の景色と違い、沢は土砂で埋まり、その隙間をかろうじて流れている。
あ!あった!秋津神社の湧水は無事だった!辺りは土砂で埋まり変わり果てた姿になっていたが、湧き水は、水量も以前と変わらず、豊富に湧いている。ただ、土砂は金壺山側に溜まった為、沢の水が湧水側のだいぶ近くに流れている。
無事であることに安堵しつつ、もう1つの目的、大白沢滝だ!秋津神社の湧水を調べていたところ、この清水より上流に大白沢滝なる滝があると見つけた。国土地理院の地図で確認すると確かに滝の表記が。秋津神社湧水から距離にして1キロもない。見てみようじゃないか!
幸い、沢の水量は少ない。問題は土砂だ。清水周辺でもこの状況、上流はもっと大変なことになっているかもしれない。もしかすると大白沢滝すら埋まっている可能もある。悪い状況が考えられるが、行って見るまで分からない!さぁ、突撃だ!
土砂や倒木を越えて、目指すは、大白沢滝!
現在地は、上流を向いて左側が田沢山、右側が金壺山の間。目指すは、大白沢滝 。大白沢滝って名前なので、この沢は、大白沢なんだろうよ。それにしても金壺山って。金の壺だよ!どこからに義経の隠し財産で埋まっているのかね?それとも金が採れるんだろうか?
秋津神社湧水から見た上流は、土砂と倒木が見受けられるが、進めそうだ。足場が悪いのでルートを見定め、ゆっくり歩く。倒れた木を跨ぎ、ゴロゴロとした石を慎重に踏み、時には周囲に熊がいないか確認して、数百メートル進んだところで、ごあぁぁ!!
思わず声が出た!今までの比ではない倒木の数々!この先、行けるのか!?ここまで来たらば、越えるしかない!
不安定な倒木に足を置き、別の倒木を潜る。体重に耐えきれずパキっと木が折れ、足が挟まれる。スネまで保護されているバイクブーツを履いているので、ケガは無かった。
おぉぉ!目の前に滝が!しかも、2段になっている!手前の1段目は、高さにして2メートルちょっと。滝というか岩場を流れている感じ。奥にはそこそこの落差のある滝がちょっとだけ見える。手前の岩場が邪魔で良く見えない。
おそらくこれが大白沢滝だ!あぁ、もっと近くで見たい!見たい!見たい!水量が少ないので、この岩場を登って行くことも可能だが・・・滑るぞ、きっと。
身の危険より好奇心が勝った!というか、これならば登れると判断した。この手の判断はとても重要である。登山でいうところの『9合目で引き返す勇気』とでも言うか、ここで無理をすると大変な事故に繫がる。いくら、好奇心が勝っても、無理だと判断したのならば絶対に行かない事。
では、よじ登ってみる。岩は水で削られ、テロ~ンとした状態。岩場の僅かな出っ張りや窪みに足を引っかけ、慎重に登る。
登った!そして、振り返ってみる。・・・・・・・帰り、降りれるかな?まぁ、ケツが濡れるのを覚悟で降りればいいっか。
登りきると、そこは、岩に囲まれた滝壺、そして目の前は、大白沢滝。何だか安心感がある。プライベート浜ならぬ、プライベート滝って感じ。滝壺だけにもっと悲惨な状況かと思いきや、土砂や倒木もなく、無事だったようだ。水量が少ない滝に近付くと、とても気持ちがよい!ビバ!マイナスイオン!!
あぁ、帰りは、あの岩場を下り、荒れた道を戻らねばならんのかぁ。はぁ~。せっかく全身にマイナスイオンを浴びリフレッシュしたにも関わらず、来たとき以上に疲れるんだろうなぁ。
-完-